しだり咲く萩の古枝に風かけて
すがひすがひに牡鹿鳴くなり
- 歌の意味
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枝垂れて咲く萩の古い枝に風が吹きかかると、それに続いて次々に、牡鹿が鳴いているようだ。
- 鑑賞
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秋歌 429
詞書「鹿」
詞書「鹿」の題で詠まれた歌で、ここから鹿を詠む歌が七首続く。枝垂れて咲く萩の古い枝に風が吹きかかると、それに続くように、次々と牡鹿が鳴く声が聞こえてくる、と詠む。萩を吹く風の音と、それに応じて鳴く鹿の声との連なりを捉えている。
萩は鹿の妻とされ、鹿と取り合わせて詠まれることが多い。本巻の第二百八十七首の「牡鹿伏す萩咲く野辺」と同じく、萩と鹿とを取り合わせ、ここでは風と鹿の声とを連ねている。
初句「しだり咲く」は、枝垂れて咲く、の意である。
二句「萩の古枝に」の「古枝」は、古い枝、年を経た枝をいう。
三句「風かけて」は、風が吹きかかって、の意である。
四句「すがひすがひに」は、次々に、後に続いて、の意で、風に続いて鹿が鳴くさまを示している。
結句「牡鹿鳴くなり」の「なり」は、声によって推定する助動詞で、牡鹿が鳴いているようだ、と結んでいる。
すがひすがひ:次々に、後に続いて
ふるえ:古い枝、年を経た枝
しだる:枝などが垂れ下がる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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夜をこめて竹の網戸に立つ霧の 晴ればやがてや明けんとすらん
- 次の歌
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萩が枝の露ためず吹く秋風に 牡鹿鳴くなり宮城野の原