- 歌の意味
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山の田の番小屋の近くで鳴く鹿の声に、はっと目を覚まされて、こちらも鳴子を鳴らして鹿を驚かすことだ。
- 鑑賞
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秋歌 440
詞書「田庵鹿」
詞書「田庵鹿」は、田の番小屋で聞く鹿の声を詠む題である。山の田を守る番小屋のすぐ近くで鳴く鹿の声に、眠っていたところをはっと目を覚まされて、今度はこちらが鳴子などを鳴らして、田を荒らす鹿を驚かして追い払う、と詠む。驚かされた者が驚かす側に回るという、言葉の重なりのおもしろさを生かした歌である。
「驚かされて驚かす」と同じ語を受身と能動とで重ね、鹿と人との立場が入れ替わるさまを表している。本巻の第三百三首の、山田の引板の音を詠んだ歌とも通じる田家の景である。
初句「小山田の」は、山の中の小さな田の、の意で、「小」は接頭語である。
二句「庵近く鳴く」は、田を守る番小屋の近くで鳴く、の意である。
三句「鹿の音に」は、鹿の鳴く声に、の意である。
四句「驚かされて」の「驚かす」は、目を覚まさせる、はっとさせる、の意で、受身の形で、鹿の声に目を覚まされて、の意である。
結句「驚かすかな」は、今度はこちらが鹿を驚かして追い払う、の意で、四句の「驚かされて」と同じ語を能動の形で重ね、「かな」で詠嘆して結んでいる。
おどろかす:目を覚まさせる、はっとさせる、驚かせる
をやまだ:山の中の小さな田
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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隣ゐね原の仮屋に明かす夜は 鹿あはれなるものにぞありける
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鹿の音を聞くにつけても住む人の 心知らるる小野の山里