鹿の音を聞くにつけても住む人の
心知らるる小野の山里
- 歌の意味
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鹿の鳴く声を聞くにつけても、ここに住む人の心のほどが自然と察せられる小野の山里である。
- 鑑賞
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秋歌 441
詞書「人を尋ねて小野にまかりたりけるに、鹿の鳴きければ」
詞書から、人を訪ねて小野へ出かけたところ、鹿が鳴いたので詠んだ歌であることがわかる。小野の山里で鹿の鳴く声を聞くにつけても、このような寂しい所にあえて住んでいる人の心のほどが、おのずと察せられる、と詠む。鹿の声に象徴される山里の寂しさから、そこに住む人の心の深さを思いやっている。
前歌までの鹿の歌が詠み手自身の住まいで鹿の声を聞いていたのに対し、この歌は他人の住む山里を訪ね、鹿の声を通してその人の心を知っている。
初句「鹿の音を」は、鹿の鳴く声を、の意である。
二句「聞くにつけても」は、聞くにつけても、聞くと同時に、の意である。
三句「住む人の」は、この山里に住んでいる人の、の意で、詞書の訪ねた人を指す。
四句「心知らるる」の「るる」は自発の助動詞「る」の連体形で、心のほどが自然と察せられる、の意である。
結句「小野の山里」は体言止めで、京の北東、比叡山の麓にある小野の山里を示して結ぶ。
をの:京の北東、比叡山の麓にある地
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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小山田の庵近く鳴く鹿の音に 驚かされて驚かすかな
- 次の歌
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独り寝の夜寒になるに重ねばや 誰がために打つ衣なるらん