小夜衣いづくの里に打つならん
遠く聞こゆる槌の音かな
- 歌の意味
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夜の衣を、どこの里で打っているのだろうか。遠くから聞こえてくる砧の槌の音であることよ。
- 鑑賞
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秋歌 443
詞書「隔里擣衣」
詞書「隔里擣衣」は、隔たった里で衣を打つ砧の音を詠む題である。夜着る衣を、どこの里で打っているのだろうか、遠くからかすかに聞こえてくる砧の槌の音である、と詠む。遠くから響いてくる砧の音に、夜の静けさと寂しさを感じている。
前歌が独り寝の身で砧の音を聞き、誰のために打つ衣かと問うたのに対し、この歌は砧の音の聞こえてくる遠い里を思いやっている。二首で、砧の音を聞く者と遠い里とが描かれている。
初句「小夜衣」は、夜着る衣をいい、「小」は接頭語である。
二句「いづくの里に」は、どこの里で、の意である。
三句「打つならん」の「ならん」は、断定の「なり」に推量の「む」が付いた形で、打っているのだろうか、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「遠く聞こゆる」は、遠くから聞こえてくる、の意で、題の「隔里」に当たる。
結句「槌の音かな」の「槌」は、砧で衣を打つ木の槌をいい、「かな」で詠嘆して結ぶ。
さよごろも:夜着る衣
つち:物を打つ道具、ここでは砧で衣を打つ木の槌
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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独り寝の夜寒になるに重ねばや 誰がために打つ衣なるらん
- 次の歌
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分けて入る袖にあはれをかけよとて 露けき庭に虫さへぞ鳴く