秋の夜に声も休まず鳴く虫を
つゆまどろまで聞き明かすかな
- 歌の意味
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秋の夜に、声も休めずに鳴き続ける虫の声を、少しもまどろむことなく、聞きながら夜を明かすことだ。
- 鑑賞
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秋歌 452
詞書は前の歌に続き「虫の歌詠み侍りけるに」
虫を詠む一連の八首目である。秋の夜に、声を休めることなく鳴き続ける虫の声を、自分も少しもまどろむことなく、一晩じゅう聞きながら夜を明かす、と詠む。休まず鳴く虫と、眠らずに聞く自分とを対応させている。
「つゆ」に、少しも、の意の副詞と、秋の夜の「露」とを掛けている。本巻の第三百九十五首の「声も休まぬきりぎりすかな」と同じく、休まず鳴く虫を詠み、前歌のともに泣く虫に続いて、虫とともに眠らずに夜を明かす姿を描いている。
初句「秋の夜に」は、秋の夜に、の意である。
二句「声も休まず」は、声を休めることもなく、の意である。
三句「鳴く虫を」は、鳴き続ける虫の声を、の意である。
四句「つゆまどろまで」の「つゆ」は、少しも、の意と、秋の夜の「露」とを掛けた掛詞で、「まどろむ」はうとうと眠る、「で」は打消の接続助詞である。少しも眠らずに、の意である。
結句「聞き明かすかな」は、聞きながら夜を明かすことだ、と「かな」で詠嘆して結ぶ。
つゆ:少しも、の意と、秋の夜の「露」を掛ける
まどろむ:うとうと眠る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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秋の夜を独りやなきて明かさまし ともなふ虫の声なかりせば
- 次の歌
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秋の野の尾花が袖に招かせて いかなる人をまつ虫の声