きりぎりす夜寒になるを告げ顔に
枕のもとに来つつ鳴くなり
- 歌の意味
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こおろぎが、夜寒の季節になったことを告げ知らせるような顔つきで、枕もとまでやって来ては鳴いている。
- 鑑賞
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秋歌 455
詞書は前の歌に続き「虫の歌詠み侍りけるに」
虫を詠む一連の十一首目である。こおろぎが、夜の寒さが身にしみる季節になったことを告げ知らせるような顔つきで、寝ている枕もとにまでやって来ては鳴いている、と詠む。秋が深まって家の中にまで入ってきて鳴く虫の姿を、季節の移りを告げる使いとして描いている。
本巻の第四百四十二首の「独り寝の夜寒になるに」と同じく夜寒を詠み、こおろぎが寒さを避けて人の住まいに近づいてくるさまに、秋の深まりを捉えている。
初句「きりぎりす」は、今のこおろぎをいう。
二句「夜寒になるを」は、夜の寒さが身にしみる季節になったことを、の意である。
三句「告げ顔に」は、告げ知らせるような顔つきで、の意で、こおろぎを擬人化している。
四句「枕のもとに」は、寝ている枕もとに、の意で、虫が家の中にまで入ってきていることを示す。
結句「来つつ鳴くなり」の「つつ」は反復を表し、「なり」は声によって推定する助動詞で、やって来ては鳴いているようだ、と結んでいる。
つげがほ:告げ知らせるような顔つき
よさむ:夜の寒さ、秋の夜の肌寒さ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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夜もすがら袂に虫の音をかけて 払ひわづらふ袖の白露
- 次の歌
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虫の音を弱りゆくかと聞くからに 心に秋の日数をぞ経る