嵐掃く庭の木の葉の惜しきかな
まことの塵に成りぬと思へば
- 歌の意味
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嵐が掃き寄せる庭の木の葉が惜しいことだ。本当の塵になってしまったと思うと。
- 鑑賞
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冬歌 498
詞書「落葉」
題「落葉」を詠む歌である。嵐が掃くように吹き寄せる庭の落ち葉を見て、色づいて梢を飾っていた木の葉も、散って庭に落ちてしまえば、本当の塵と同じものになってしまったと思うと惜しい、と詠む。嵐を、庭を掃く者に見立てている。
前歌が水に浮かぶ紅葉を紅を洗う水として美しく見立てたのに対し、この歌は庭に落ちた木の葉を塵として捉えており、落ち葉への見方が対照をなしている。
初句「嵐掃く」の「掃く」は、ほうきで掃く、の意で、嵐が庭を掃くように木の葉を吹き寄せることをいう。
二句「庭の木の葉の」は、庭に散った木の葉が、の意である。
三句「惜しきかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「まことの塵に」の「まことの塵」は、本当の塵、の意で、木の葉が塵と変わらないものになったことをいう。
結句「成りぬと思へば」の「ぬ」は完了、「ば」は確定条件で、なってしまったと思うと、の意である。三句と倒置の関係にある。
はく:ほうきなどで掃き清める
ちり:ほこりや細かなごみ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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竜田姫染めし梢の散る折は 紅洗ふ山川の水
- 次の歌
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山おろしの月に木の葉を吹きかけて 光にまがふ影を見るかな