- 歌の意味
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住まいを囲っている柞の柴に降る時雨までもが、慕い寄るようにして染めている、初時雨であることよ。
- 鑑賞
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冬歌 501
詞書「山家時雨」
題「山家時雨」は、山里の住まいに降る時雨を詠む題である。山の木々を染める初時雨が、住まいを囲う柞の柴にまで慕い寄るように降りかかり、その柴まで染めている、と詠む。時雨は木の葉を紅葉させるものとされ、山の紅葉だけでなく、身近な垣根の柴にまで初時雨の色が及ぶさまを捉えている。
本巻の第四百九十一首で時雨が梢を染めることを詠んだのに対し、この歌では住まいを囲う柴にまで時雨の染める手が及んでおり、遠くの梢から身近な垣根へと時雨の働きを移している。
初句「宿囲ふ」は、住まいを囲っている、の意で、柴垣として住まいを囲うことをいう。
二句「柞の柴の」の「柞」はコナラなどの木の古い呼び名で、紅葉の美しい木とされた。「柴」は刈り取った雑木の枝である。
三句「時雨さへ」の「さへ」は添加の副助詞で、山の木々に降るだけでなく、柴に降る時雨までも、の意である。
四句「慕ひて染むる」の「慕ふ」は、慕い寄る、あとを追う、の意で、時雨が柴を慕い寄るように降って染める、と擬人化している。
結句「初時雨かな」の「初時雨」は、その年の冬に初めて降る時雨で、「かな」は詠嘆である。
ははそ:コナラなどの木の古い呼び名で、紅葉が美しいとされた
しば:山野に生える小さな雑木、またそれを刈り取った枝
したふ:慕い寄る、あとを追う
はつしぐれ:その年の冬に初めて降る時雨
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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木枯らしに峰の木の葉やたぐふらん 村濃に見ゆる滝の白糸
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おのづから音する人ぞなかりける 山めぐりする時雨ならでは