霜かづく枯れ野の草の寂しきに
いづくは人の心とむらん
- 歌の意味
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霜をかぶった枯れ野の草がこれほど寂しいのに、いったいどこに人は心をとめるのだろうか。
- 鑑賞
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冬歌 508
詞書は前の歌に続き「枯野草」
「枯野草」の題で詠まれた二首目である。霜をかぶった枯れ野の草はただ寂しいばかりで、人が心をとめるようなところはどこにも見当たらない、と詠む。疑問の形をとることで、心をひかれるもののない冬枯れの野の寂しさを強調している。
前歌が秋の萩原の記憶と冬の萩原の現在とを重ねたのに対し、この歌は冬の枯れ野そのものの寂しさに目を向けている。
初句「霜かづく」の「霜かづく」は、霜をかぶる、の意である。
二句「枯れ野の草の」は、枯れ野の草が、の意で、題の「枯野草」に当たる。
三句「寂しきに」の「に」は逆接を示し、寂しいのに、の意である。
四句「いづくは人の」の「いづく」は、どこ、の意で、「は」がそれを取り立てている。
結句「心とむらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、どこに心をとめるのだろうか、と疑っている。
かづく:頭にかぶる
かれの:草木の枯れた冬の野
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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分けかねし袖に露をば留め置きて 霜に朽ちぬる真野の萩原
- 次の歌
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霜枯れてもろく砕くる荻の葉を 荒く分くなる風の音かな