霜枯れてもろく砕くる荻の葉を
荒く分くなる風の音かな
- 歌の意味
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霜に枯れて、もろく砕ける荻の葉を、荒々しく分けて吹いていくらしい風の音であることよ。
- 鑑賞
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冬歌 509
詞書は前の歌に続き「枯野草」
「枯野草」の題で詠まれた三首目である。霜にあって枯れ、触れればもろく砕けてしまう荻の葉を、風が荒々しく分けて吹き過ぎていく音が聞こえる、と詠む。秋には風にそよいで音を立てた荻が、冬には枯れて砕ける音を立てるさまを捉えている。
一連の前の二首が目に映る枯れ野を詠んだのに対し、この歌は耳に聞こえる風の音によって枯れ野の草を詠み、三首で題を詠み分けている。
初句「霜枯れて」は、霜にあって枯れて、の意である。
二句「もろく砕くる」は、もろく砕ける、の意で、枯れた荻の葉の乾いたさまを示している。
三句「荻の葉を」の「荻」は水辺などに生える薄に似た草で、風に音を立てるものとして詠まれた。
四句「荒く分くなる」の「なる」は、音によって推し量る推定の助動詞の連体形で、荒々しく分けていくらしい、の意である。
結句「風の音かな」は、風の音であることよ、の意で、「かな」は詠嘆である。
しもがる:霜にあって草木が枯れる
をぎ:水辺に生える薄に似た草で、風にそよいで音を立てる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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霜かづく枯れ野の草の寂しきに いづくは人の心とむらん
- 次の歌
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難波江の汀の葦に霜冴えて 浦風寒き朝ぼらけかな