- 歌の意味
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山桜は初雪が降ると咲いたことだ。吉野の里では冬籠りしているけれども。
- 鑑賞
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冬歌 512
詞書は前の歌に続き「冬歌詠みけるに」
冬の歌を詠んだ折の四首のうちの三首目である。初雪が降ると、吉野の山桜の枝に雪が積もり、花が咲いたように見える。里の人々は冬籠りしているけれども、山では桜が咲いた、と詠む。桜の名所である吉野を舞台に、枝に積もる雪を桜の花に見立てている。
本巻の第五百六十五首と第五百六十七首も、吉野の雪や木々に積もる雪を花に見立てており、雪と桜を重ねる趣向が本巻で繰り返される。
初句「山桜」の「山桜」は山に咲く桜で、ここでは雪の積もった吉野の桜の木をいう。
二句「初雪降れば」の「ば」は確定条件で、初雪が降ると、の意である。
三句「咲きにけり」の「にけり」は完了と詠嘆で、咲いたことだ、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「吉野は里に」は、吉野では里に、の意で、桜の名所である吉野を示している。
結句「冬籠れども」の「冬籠る」は冬の間家にこもることで、「ども」は逆接である。三句までと倒置の関係にある。
ふゆごもる:冬の間、家にこもって過ごす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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玉かけし花の姿も衰へて 霜をいただく女郎花かな
- 次の歌
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寂しさに堪へたる人のまたもあれな 庵並べん冬の山里