寂しさに堪へたる人のまたもあれな
庵並べん冬の山里
- 歌の意味
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寂しさに耐えている人が、私のほかにもう一人いてくれればよいのに。その人と庵を並べて住もう、この冬の山里に。
- 鑑賞
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冬歌 513
詞書は前の歌に続き「冬歌詠みけるに」
冬の歌を詠んだ折の四首のうちの四首目である。冬の山里の寂しさに耐えて暮らす人が、自分のほかにもいてほしい、もしいるならば庵を並べて住みたい、と願う歌である。寂しさに耐えて独り住む覚悟を持ちながらも、同じ心を分かち合える人を求める心がこめられている。三句と四句とで切れる歯切れのよい調べも特色である。
『新古今和歌集』冬歌に入集している。『古今和歌集』の源宗于の歌「山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば」を踏まえ、冬の山里の寂しさを、それに耐える人の側から詠み直している。
初句「寂しさに」は、寂しさに、の意で、冬の山里の寂しさをいう。
二句「堪へたる人の」の「たる」は存続の助動詞「たり」の連体形で、耐えている人が、の意である。
三句「またもあれな」は六音の字余りで、「な」は願望の終助詞である。もう一人いてくれればよいのに、の意で、ここで句切れとなる。
四句「庵並べん」の「ん」は意志の助動詞で、庵を並べて住もう、の意である。ここでも句切れとなる。
結句「冬の山里」は体言止めで、庵を並べたい場所を示して結ぶ。本巻の第五百十五首、第五百五十八首も同じ結句「冬の山里」で結ばれている。
いほり:草木で作った粗末な住まい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山桜初雪降れば咲きにけり 吉野は里に冬籠れども
- 次の歌
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霜にあひて色改むる葦の穂の 寂しく見ゆる難波江の浦