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霜にあひて色改むる葦の穂の
寂しく見ゆる難波江の浦

歌の意味
霜にあって色を変えた葦の穂が、寂しく見える難波江の浦であることよ。
鑑賞
冬歌 514

詞書「水辺寒草」
 題「水辺寒草」は、水辺の冬枯れの草を詠む題である。霜にあって色が変わり、枯れ色になった葦の穂が、寂しく見える難波江の浦の景色を詠む。葦の名所である難波江が、冬には枯れ葦の寂しい浦となるさまを捉えている。
 本巻の第五百十首も難波江の水際の葦に置く霜を詠んでおり、同じ難波江の葦と霜とを取り合わせている。また次歌と四句「寂しく見ゆる」を共有している。

 初句「霜にあひて」は六音の字余りで、霜にあって、の意である。
 二句「色改むる」は、色を変える、の意で、葦の穂が霜によって枯れ色に変わることをいう。
 三句「葦の穂の」は、葦の穂が、の意で、題の「寒草」に当たる。
 四句「寂しく見ゆる」は、寂しく見える、の意で、次歌の四句と同じ句である。
 結句「難波江の浦」は体言止めで、葦の名所の難波江の浦を示して結ぶ。題の「水辺」に当たる。

あふ:出あう、ここでは霜にあたること
なにはえ:摂津国の難波の入り江で、葦の名所
作者
西行
出典
山家集
前の歌
寂しさに堪へたる人のまたもあれな 庵並べん冬の山里
次の歌
玉巻きし垣根の真葛霜枯れて 寂しく見ゆる冬の山里