- 歌の意味
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氷が一面に張りつめた沼の葦原に風が冷たく吹いて、月もその光が寂しく感じられることだ。
- 鑑賞
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冬歌 520
詞書は前の歌に続き「月照寒草」
「月照寒草」の題で詠まれた二首目である。氷が一面に張りつめた沼の葦原に冷たい風が吹きわたり、その葦原を照らす月までも、光が寂しく感じられる、と詠む。冬の沼の景色の冷たさが、月の光にまで及んでいるさまを捉えている。
前歌が枯れ野の月を「あはれなりけり」と心ひかれるものとして詠んだのに対し、この歌は枯れた葦原の月を「寂しかりける」と詠んでおり、同じ題の月を、あわれと寂しさとで詠み分けている。
初句「氷敷く」の「敷く」は、一面に広がる、の意で、氷が沼一面に張りつめたさまをいう。
二句「沼の葦原」の「葦原」は葦が一面に生えている原で、題の「寒草」に当たる。
三句「風冴えて」の「冴ゆ」は、冷え込む、の意で、風が冷たく吹くことをいう。
四句「月も光ぞ」の「も」は、景色だけでなく月までも、の意である。「ぞ」は強意の係助詞で、結句の連体形「ける」と係り結びをなしている。
結句「寂しかりける」は、寂しく感じられることだ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」で結んでいる。
しく:一面に広がる、敷きつめる
あしはら:葦が一面に生えている原
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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花に置く露に宿りし影よりも 枯れ野の月はあはれなりけり
- 次の歌
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霜冴ゆる庭の木の葉を踏み分けて 月は見るやと訪ふ人もがな