さゆと見えて冬深くなる月影は
水なき庭に氷をぞ敷く
- 歌の意味
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冷え冷えと冴えて見えて、冬が深まっていく月の光は、水もない庭に氷を敷きつめている。
- 鑑賞
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冬歌 522
詞書「庭上冬月」
題「庭上冬月」は、庭の上を照らす冬の月を詠む題である。冬が深まるにつれていっそう冷え冷えと冴えて見える月の光は、水もない庭に白々と差して、まるで氷を一面に敷きつめたように見える、と詠む。庭を照らす白い月の光を氷に見立てている。
本巻の第五百六十一首も結句を「氷をぞ敷く」とし、そちらは大井の淀に実際に張る氷を詠んでいる。月の光が見せる氷と、川に張る本当の氷とが対応している。
初句「さゆと見えて」は六音の字余りで、「さゆ」は冷え冷えと冴えわたる意である。冷たく冴えて見えて、の意である。
二句「冬深くなる」は、冬が深まっていく、の意である。
三句「月影は」の「月影」は月の光のことである。
四句「水なき庭に」は、水のない庭に、の意で、水がないのに氷がある、という見立ての意外さを示している。
結句「氷をぞ敷く」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「敷く」と係り結びをなしている。月の光を、庭に敷きつめた氷に見立てて結ぶ。
さゆ:冷え込む、冷たく冴えわたる
つきかげ:月の光
しく:一面に広がる、敷きつめる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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霜冴ゆる庭の木の葉を踏み分けて 月は見るやと訪ふ人もがな
- 次の歌
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合はせつる木居のはし鷹そばへかし 犬飼ひ人の声しきりなり