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木の間漏る月の影とも見ゆるかな
はだらに降れる庭の白雪

歌の意味
木々の間から漏れる月の光とも見えることよ。まだらに降り積もった庭の白雪は。
鑑賞
冬歌 526

詞書「庭雪似月」
 題「庭雪似月」は、庭の雪が月の光に似ているさまを詠む題である。まだらに降り積もった庭の白雪は、木々の間から漏れて地面にまだらに差す月の光のようにも見える、と詠む。雪のまだらな白さを、木の間から漏れる月の光に見立てている。
 本巻の第五百二十二首が、庭に差す月の光を氷に見立てたのに対し、この歌は庭の雪を月の光に見立てており、月の光を別のものに見る歌と、別のものを月の光に見る歌とが反転した対応をなしている。

 初句「木の間漏る」は、木々の間から漏れる、の意で、木の間を通って差す月の光をいう。
 二句「月の影とも」の「影」は月の光のことで、「とも」は、〜とも、の意である。
 三句「見ゆるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
 四句「はだらに降れる」の「はだらなり」は、まだらに、薄くまばらに、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
 結句「庭の白雪」は体言止めで、月の光に見立てた庭の雪を最後に示す倒置の形で結んでいる。

このま:木と木の間
つきかげ:月の光
作者
西行
出典
山家集
前の歌
降る雪に鳥立ちも見えず埋もれて とりどころなき御狩野の原
次の歌
立ちのぼる朝日の影のさすままに 都の雪は消えみ消えずみ