降る雪に枝折りし柴も埋もれて
思はぬ山に冬籠りぬる
- 歌の意味
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降る雪に、道しるべに折っておいた柴の枝も埋もれてしまって、思いもしなかった山で冬籠りすることになってしまった。
- 鑑賞
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冬歌 530
詞書「雪埋路」
題「雪埋路」は、雪が道を埋めるさまを詠む題である。山道で迷わないよう、道しるべに折っておいた柴の枝までも降る雪に埋もれてしまい、帰り道がわからなくなって、思いもしなかった山で冬籠りをすることになってしまった、と詠む。
本巻の第四百九十四首が、まだ雪も降らないうちに木の葉に埋もれて冬籠りをさせられることを詠んだのに対し、この歌は雪に道を埋められて冬籠りすることを詠み、木の葉と雪とで同じ冬籠りを詠む対応をなしている。
初句「降る雪に」は、降る雪に、の意で、「に」は原因を示している。
二句「枝折りし柴も」の「枝折る」は、山道で木の枝を折って道しるべとすることで、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
三句「埋もれて」は、すっかり覆われて見えなくなって、の意で、題の「埋」に当たる。
四句「思はぬ山に」は、思いもしなかった山に、の意で、冬籠りを予定していなかった山であることをいう。
結句「冬籠りぬる」の「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形で、連体形で言いさして余情を残して結んでいる。
しをる:木の枝を折って道しるべとする
しば:山野に生える小さな雑木、またそれを刈り取った枝
ふゆごもる:冬の間、家にこもって過ごす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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たゆみつつ橇の早緒も付けなくに 積もりにけりな越の白雪
- 次の歌
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雪深く埋みてけりな君来やと 紅葉の錦敷きし山路を