跡留むる駒の行方はさもあらばあれ
うれしく君にゆきにあひぬる
- 歌の意味
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雪に足跡を残していく馬の行方は、どうなろうともかまわない。うれしいことに、雪の中を行く道であなたに会えたのだから。
- 鑑賞
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冬歌 534
詞書「雪朝会友」
題「雪朝会友」は、雪の朝に友に会うことを詠む題である。雪の上に足跡を残していく馬がどこへ向かおうと、それはどうでもよい。うれしいことに、雪の降る中を行く途中であなたに会えたのだから、と詠む。雪の朝に思いがけず友と出会えた喜びを、率直に表している。
前の二首が訪れる人の足跡で雪が乱れることを惜しんだのに対し、この歌は雪に跡を残すことをいとわず、友に会えた喜びを優先しており、雪と人との関わりを反対の側から詠んでいる。
初句「跡留むる」の「跡留む」は、跡を残す、の意で、雪の上に足跡を残していくことをいう。
二句「駒の行方は」の「駒」は馬のことである。
三句「さもあらばあれ」は七音の字余りで、どうであろうとかまわない、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「うれしく君に」は、うれしいことにあなたに、の意である。
結句「ゆきにあひぬる」の「ゆき」は、降る雪の意と、行く途中の意の「行き」とを掛けた掛詞である。「ぬる」は完了の助動詞の連体形で、余情を残して結んでいる。
あととむ:跡を残す
こま:馬
ゆき:降る雪の意と、行く途中の意の「行き」を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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人来ばと思ひて雪を見るほどに しか跡付くることもありけり
- 次の歌
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雪埋む園の呉竹折れ伏して ねぐら求むるむら雀かな