古典和歌stream

雪埋む園の呉竹折れ伏して
ねぐら求むるむら雀かな

歌の意味
雪が埋めている庭の呉竹が折れ伏してしまって、ねぐらを探し求めている群れ雀であることよ。
鑑賞
冬歌 535

詞書「雪埋竹と言ふことを」
 題「雪埋竹」は、雪が竹を埋めるさまを詠む題である。降り積もった雪の重みで、庭の呉竹が折れて地に伏してしまい、そこをねぐらにしていた雀の群れが、寝る場所を探し求めて飛びまわっている、と詠む。雪の深さを、ねぐらを失った雀の姿によって捉えている。
 次歌も竹の葉先に降り積もった雪を詠んでおり、竹と雪とを取り合わせる歌が二首続いている。

 初句「雪埋む」は、雪が埋めている、の意で、題の「雪埋」に当たる。
 二句「園の呉竹」の「園」は草木を植えた庭で、「呉竹」は葉が細かく節の多い竹である。題の「竹」に当たる。
 三句「折れ伏して」は、雪の重みで折れて地に伏して、の意である。
 四句「ねぐら求むる」の「ねぐら」は鳥の寝る所で、それを探し求める、の意である。
 結句「むら雀かな」の「むら雀」は群れをなしている雀で、「かな」は詠嘆である。

その:草木を植えた庭
くれたけ:葉が細かく節の多い竹で、淡竹のこと
ねぐら:鳥の寝る所
むらすずめ:群れをなしている雀
作者
西行
出典
山家集
前の歌
跡留むる駒の行方はさもあらばあれ うれしく君にゆきにあひぬる
次の歌
裏返す小忌の衣と見ゆるかな 竹のうれ葉に降れる白雪