- 歌の意味
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青根山の、苔の筵の上に一面に降り敷いた雪は、まるで白嶺のような心地がすることだ。
- 鑑賞
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冬歌 540
詞書は前の歌に続き「雪歌詠みけるに」
雪の歌を詠んだ折の六首のうちの三首目である。吉野の青根が峰を指すとされる青根山に、筵のように一面に生えた苔の上に雪が降り敷くと、青い山がまるで白い雪の峰のように見える、と詠む。山の名の「青」と「白嶺」の「白」とを対比させ、雪による色の変化を山の名で示した趣向である。
本巻の第五百二十八首と次歌も結句を「心地こそすれ」とし、雪を別のものに見立てる歌が続いている。
初句「青根山」の「青根山」は、吉野の青根が峰を指すとされる。山の名の「青」が、四句の「白嶺」の「白」と対をなしている。
二句「苔の筵の」の「筵」は、わらやい草などで編んだ敷物で、一面に生えた苔を筵に見立てている。
三句「上に敷く」の「敷く」は、一面に広がる、の意で、雪が苔の上に降り敷くさまをいう。
四句「雪は白嶺の」の「白嶺」は、雪の白く積もった高い峰で、青根山の「青」に対して「白」を示している。
結句「心地こそすれ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形「すれ」と係り結びをなしている。本巻の第五百二十八首、次歌と同じ結句である。
むしろ:わらやい草などで編んだ敷物
しく:一面に広がる、敷きつめる
しらね:雪の白く積もった高い峰
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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雪降れば野路も山路も埋もれて をちこち知らぬ旅の空かな
- 次の歌
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卯の花の心地こそすれ山里の 垣根の柴を埋む白雪