折ならぬ巡りの垣の卯の花を
うれしく雪の咲かせつるかな
- 歌の意味
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季節でもないのに、住まいの周りの垣根に卯の花を、うれしいことに雪が咲かせてくれたことよ。
- 鑑賞
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冬歌 542
詞書は前の歌に続き「雪歌詠みけるに」
雪の歌を詠んだ折の六首のうちの五首目である。卯の花の咲く季節でもない冬に、住まいの周りの垣根に、うれしいことに雪が卯の花を咲かせてくれた、と詠む。垣根に積もった雪を卯の花に見立て、季節外れの花を雪の贈り物として喜んでいる。
前歌と同じく垣根の雪を卯の花に見立てており、前歌が見立ての心地を述べたのに対し、この歌は雪を花を咲かせる者として擬人化し、その喜びを詠んでいる。
初句「折ならぬ」の「折」は季節、時節のことで、季節でもない、の意である。
二句「巡りの垣の」の「巡り」は周囲のことで、住まいの周りの垣根の、の意である。
三句「卯の花を」は、卯の花を、の意で、垣根に積もった雪を卯の花に見立てている。
四句「うれしく雪の」は、うれしいことに雪が、の意で、雪を花を咲かせる者として擬人化している。
結句「咲かせつるかな」の「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形で、「かな」は詠嘆である。咲かせてくれたことよ、の意である。
をり:季節、時節
めぐり:周囲
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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卯の花の心地こそすれ山里の 垣根の柴を埋む白雪
- 次の歌
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訪へな君夕暮れになる庭の雪を 跡なきよりはあはれならまし