- 歌の意味
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淡路島の磯辺をめぐる千鳥の声がしきりに聞こえることだ。瀬戸を吹く潮風が一面に冷えわたる夜は。
- 鑑賞
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冬歌 548
詞書「千鳥」
題「千鳥」を詠む歌で、同じ題の五首が続くうちの一首目である。瀬戸を吹きわたる潮風が一面に冷え込む夜には、淡路島の磯辺をめぐる千鳥の声がしきりに聞こえる、と詠む。冬の海辺の寒さを、千鳥の鳴き声によって捉えている。
淡路島と千鳥の取り合わせは、『金葉和歌集』の源兼昌の歌「淡路島かよふ千鳥の鳴く声に幾夜寝覚めぬ須磨の関守」によって名高く、この歌もその流れを受けている。次歌とは初句「淡路島」を共有している。
初句「淡路島」の「淡路島」は、瀬戸内海の東部にある島で、千鳥とともに詠まれる歌枕である。次歌と同じ初句である。
二句「磯回の千鳥」の「磯回」は、磯の曲がりくねった所、磯辺のことである。
三句「声しげみ」の「しげみ」は、形容詞「しげし」の語幹に「み」が付いた形で、声がしきりであるので、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「瀬戸の潮風」の「瀬戸」は、両側から陸地が迫った狭い海峡で、淡路島と本州との間の海をいう。
結句「冴え渡る夜は」の「冴え渡る」は、一面に冷え込む、の意である。三句までと倒置の関係にある。
いそわ:磯の曲がりくねった所、磯辺
ちどり:水辺にすむ小鳥で、冬の景物として鳴き声が詠まれた
せと:両側から陸地が迫った狭い海峡
さえわたる:一面に冷え込む
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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限りあらん雲こそあらめ炭竃の 煙に月のすすけぬるかな
- 次の歌
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淡路島瀬戸の潮干の夕暮れに 須磨より通ふ千鳥鳴くなり