霜冴えて汀更けゆく浦風を
思ひ知りげに鳴く千鳥かな
- 歌の意味
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霜が冷たく凍り、水際で夜が更けていく浦風のつらさを、身にしみて知っているかのように鳴く千鳥であることよ。
- 鑑賞
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冬歌 550
詞書は前の歌に続き「千鳥」
「千鳥」の題で詠まれた五首のうちの三首目である。霜が冷たく凍り、水際で夜が更けていくにつれて冷たさの増す浦風を、そのつらさを身にしみて知っているかのように鳴く千鳥のさまを詠む。千鳥の鳴き声に、冬の夜の海辺の寒さとわびしさを聞き取っている。
本巻の第五百十首も「霜冴えて」と「浦風」とを取り合わせて冬の海辺の明け方を詠んでおり、同じ語を用いて夜更けと明け方の寒さを詠み分けている。
初句「霜冴えて」は、霜が冷たく凍って、の意である。
二句「汀更けゆく」の「更けゆく」は、夜が更けていく、の意で、水際で夜が更けていくことをいう。
三句「浦風を」の「浦風」は、入り江や海辺を吹く風である。
四句「思ひ知りげに」の「思ひ知る」は、身にしみてわかる、の意で、「げに」はそのような様子で、の意である。
結句「鳴く千鳥かな」は、鳴く千鳥であることよ、の意で、「かな」は詠嘆である。
ふく:夜が更ける
おもひしる:身にしみてわかる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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淡路島瀬戸の潮干の夕暮れに 須磨より通ふ千鳥鳴くなり
- 次の歌
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冴ゆれども心安くぞ聞き明かす 川瀬の千鳥友具してけり