岩間ゆく木の葉分け来し山水を
つゆ漏らさぬは氷なりけり
- 歌の意味
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岩の間を流れ、木の葉を分けて流れてきた山の水を、一滴も漏らさずに止めているのは氷であったよ。
- 鑑賞
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冬歌 554
詞書「氷留山水」
題「氷留山水」は、氷が山の水の流れを止めるさまを詠む題である。秋には岩の間を流れ、散り敷いた木の葉を分けるようにして流れてきた山の水を、今は少しも漏らさずにせき止めているのは氷であった、と詠む。流れていた山の水が、冬になって氷に閉じこめられたさまを捉えている。
次歌も氷によって流れの止まった滝を詠んでおり、氷が水の流れを止める歌が二首続いている。
初句「岩間ゆく」の「岩間」は岩と岩の間のことで、そこを流れていく、の意である。
二句「木の葉分け来し」は、木の葉を分けて流れてきた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。秋の落ち葉の季節を思わせる。
三句「山水を」の「山水」は、山の中を流れる水である。
四句「つゆ漏らさぬは」の「つゆ」は、少しも、の意と、水のしずくの意の「露」とを掛けている。少しも漏らさないのは、の意である。
結句「氷なりけり」の「なりけり」は断定と詠嘆で、それは氷であったよ、と気づいたことを示して結ぶ。
いはま:岩と岩の間
やまみづ:山の中を流れる水
つゆ:少しもの意と、水のしずくの意の「露」を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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千鳥鳴く絵島の浦に澄む月を 波に映して見る今宵かな
- 次の歌
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水上に水や氷を結ぶらん くるとも見えぬ滝の白糸