- 歌の意味
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川上で水が氷を結んでいるのだろうか。流れて来るとも、糸を繰るとも見えない滝の白糸であることよ。
- 鑑賞
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冬歌 555
詞書「滝上氷」
題「滝上氷」は、滝の上に張る氷を詠む題である。白い糸のように流れ落ちていた滝が、少しも流れてくるように見えないのは、川上で水が氷となって結ばれているからだろうか、と推し量る歌である。滝を白糸に見立て、「結ぶ」「繰る」という糸にちなむ語を連ねて、凍って動かない滝を詠んでいる。
本巻の第五百首も結句を「滝の白糸」とし、そちらは木枯らしに散る木の葉がまじって村濃に見える滝を詠んでいる。流れる滝と凍って止まった滝とが対応している。
初句「水上に」の「水上」は川の上流のことである。
二句「水や氷を」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」と係り結びをなしている。
三句「結ぶらん」の「結ぶ」は氷が張る意で、糸を結ぶ意を響かせ、結句の「白糸」の縁語となっている。「らん」は現在推量の助動詞で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「くるとも見えぬ」の「くる」は、流れて来る意の「来る」と、糸を繰る意の「繰る」とを掛けた掛詞で、「白糸」の縁語でもある。
結句「滝の白糸」は体言止めで、白い糸のように流れ落ちる滝を示して結ぶ。本巻の第五百首と同じ結句である。
みなかみ:川の上流
むすぶ:氷が張る、また糸を結ぶ
くる:流れて来る意の「来る」と、糸を繰る意の「繰る」を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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岩間ゆく木の葉分け来し山水を つゆ漏らさぬは氷なりけり
- 次の歌
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氷割る筏の棹のたゆければ 持ちや越さまし保津の山越え