冴ゆる夜はよその空にぞ鴛も鳴く
凍りにけりな昆陽の池水
- 歌の意味
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冷え込む夜は、よその空で鴛鴦も鳴いている。凍ってしまったことだなあ、昆陽の池の水は。
- 鑑賞
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冬歌 560
詞書は前の歌に続き「冬歌十首」
「冬歌十首」の四首目である。冷え込む夜には、いつも池にいるおしどりまでも、よその空を鳴きながら飛んでいる。それは昆陽の池の水が凍ってしまったからなのだなあ、と気づく歌である。池を追われて鳴く水鳥の声から、池の凍結を知る趣向である。
本巻の第五百五十四首から第五百五十六首まで、氷によって水の流れが止まるさまが詠まれたのに続き、この歌は池の氷を水鳥の声によって捉えている。
初句「冴ゆる夜は」は、冷え込む夜は、の意である。
二句「よその空にぞ」の「よそ」はほかの所のことで、「ぞ」は強意の係助詞として三句の連体形「鳴く」と係り結びをなしている。
三句「鴛も鳴く」の「鴛」はおしどりのことで、「も」は、ほかの鳥だけでなくおしどりまでも、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「凍りにけりな」の「にけり」は完了と詠嘆、「な」は詠嘆の終助詞で、凍ってしまったことだなあ、の意である。ここでも句切れとなる。
結句「昆陽の池水」の「昆陽」は摂津国の地名で、昆陽の池は水鳥の集まる池として詠まれた歌枕である。体言止めで、四句と倒置の関係にある。
よそ:ほかの所
をし:おしどりのこと
こや:摂津国の地名で、昆陽の池は歌枕
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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津の国の葦の丸屋の寂しさは 冬こそわけて訪ふべかりけれ
- 次の歌
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夜もすがらあらしの山に風冴えて 大井の淀に氷をぞ敷く