冴え渡る浦風いかに寒からん
千鳥群れゐるゆふさきの浦
- 歌の意味
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一面に冷え込む浦風は、どれほど寒いことだろう。千鳥が群れ集まっている、ゆふさきの浦では。
- 鑑賞
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冬歌 562
詞書は前の歌に続き「冬歌十首」
「冬歌十首」の六首目である。一面に冷え込む浦風は、そこに群れ集まっている千鳥にとってどれほど寒いことだろう、とゆふさきの浦の千鳥を思いやる歌である。冬の海辺の寒さを、千鳥の身になって推し量っている。
本巻の第五百四十八首と同じく「冴え渡る」と潮風、浦風とを取り合わせ、千鳥を詠んでいる。千鳥の五首で詠まれた冬の海辺の寒さを、十首の連作の中でも繰り返している。
初句「冴え渡る」の「冴え渡る」は、一面に冷え込む、の意である。
二句「浦風いかに」の「浦風」は入り江や海辺を吹く風で、「いかに」は、どれほど、の意である。
三句「寒からん」の「らん」は現在推量の助動詞で、寒いことだろう、と推し量っている。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「千鳥群れゐる」の「群れゐる」は、群れをなして集まっている、の意である。
結句「ゆふさきの浦」の「ゆふさきの浦」は浦の名である。体言止めで、三句までと倒置の関係にある。
さえわたる:一面に冷え込む
むれゐる:群れをなして集まっている
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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夜もすがらあらしの山に風冴えて 大井の淀に氷をぞ敷く
- 次の歌
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山里は時雨れし頃の寂しさに 嵐の音はややまさりけり