風冴えて寄すればやがて凍りつつ
返る波なき志賀の唐崎
- 歌の意味
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風が冷たく吹いて、波が打ち寄せるとすぐさま凍りついていき、寄せては返す波もない志賀の唐崎であることよ。
- 鑑賞
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冬歌 564
詞書は前の歌に続き「冬歌十首」
「冬歌十首」の八首目である。冷たい風が吹きつけて、湖の波は岸に打ち寄せるとすぐに凍りついてしまうので、寄せては返すはずの波も返ることがない志賀の唐崎の冬景色を詠む。寄せては返す波という水辺の常の動きが、氷によって止められたさまを捉えている。
本巻の第五百五十四首、第五百五十五首が、氷によって山の水や滝の流れが止まったことを詠んだのと同じく、この歌も氷によって湖の波が止まったさまを詠んでおり、水の動きを止める氷の主題が続いている。
初句「風冴えて」の「冴ゆ」は、冷え込む、の意で、風が冷たく吹くことをいう。
二句「寄すればやがて」の「寄す」は波が打ち寄せる意で、「ば」は確定条件、「やがて」は、すぐさま、の意である。
三句「凍りつつ」の「つつ」は、動作の繰り返しを示し、寄せるたびに凍っていく、の意である。
四句「返る波なき」は、寄せては返るはずの波のない、の意である。
結句「志賀の唐崎」の「志賀の唐崎」は、近江国の志賀にある琵琶湖畔の地で、歌枕として知られる。体言止めで結ぶ。
よす:波が打ち寄せる
からさき:近江国の志賀にある琵琶湖畔の地で、歌枕
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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山里は時雨れし頃の寂しさに 嵐の音はややまさりけり
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