訪ふ人は初雪をこそ分け来しか
道閉ぢてけり深山辺の里
- 歌の意味
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訪ねてくる人は、初雪のころこそ雪を分けて来てくれたけれども、今はもう道が雪に閉ざされてしまった、深山のほとりの里よ。
- 鑑賞
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冬歌 569
詞書「山家冬深」
題「山家冬深」は、山里の住まいで冬が深まるさまを詠む題である。初雪のころには、訪ねてくる人も雪を分けてやって来てくれたけれども、冬が深まった今は、道が雪にすっかり閉ざされて、もう誰も訪れることのない深山のほとりの里である、と詠む。人の訪れが絶える冬の深まりを捉えている。
前歌と同じ結句「深山辺の里」で結ばれ、前歌が雪を友として受け入れたのに対し、この歌は雪によって人の訪れが絶えたことを詠んでおり、同じ里の雪を異なる心で捉えている。
初句「訪ふ人は」の「訪ふ」は訪ねる意で、訪ねてくる人は、の意である。
二句「初雪をこそ」の「こそ」は強意の係助詞で、三句の已然形「しか」と係り結びをなしている。初雪のころこそ、の意である。
三句「分け来しか」の「しか」は過去の助動詞「き」の已然形で、二句の「こそ」を受けて、分けて来たけれども、と逆接で下に続いている。
四句「道閉ぢてけり」の「閉づ」は閉ざされる意で、「てけり」は完了と詠嘆である。道が閉ざされてしまった、の意で、ここで句切れとなる四句切れの歌である。
結句「深山辺の里」は体言止めで、前歌と同じ結句で結ぶ。題の「山家」に当たる。
とふ:訪ねる、見舞う
とづ:閉ざされる、ふさがる
みやまべ:奥深い山のほとり
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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降り埋む雪を友にて春来ては 日を送るべき深山辺の里
- 次の歌
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年のうちは訪ふ人さらにあらじかし 雪も山路も深き住処を