年のうちは訪ふ人さらにあらじかし
雪も山路も深き住処を
- 歌の意味
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年の内は、訪ねてくる人はまったくあるまいよ。雪も深く、山道も深い住まいなのだから。
- 鑑賞
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冬歌 570
詞書「山居雪」
題「山居雪」は、山の住まいに降る雪を詠む題である。雪も深く積もり、山道も奥深いこの住まいには、年の明けるまでは、訪ねてくる人などまったくないだろう、と詠む。訪れる人を待つ心をあきらめに変え、雪に閉ざされた冬を独りで過ごす覚悟を示している。
前歌が道の閉ざされた里を詠んだのに続き、この歌は年内の訪れはもうあるまいと見定めており、人の訪れを詠む歌がここで年の暮れへと向かっている。
初句「年のうちは」は六音の字余りで、年の内は、の意である。年の暮れが近いことを示している。
二句「訪ふ人さらに」の「さらに」は、打消の語と呼応して、まったく、少しも、の意となる。
三句「あらじかし」の「じ」は打消推量の助動詞、「かし」は念を押す終助詞で、あるまいよ、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「雪も山路も」は、雪も山道も、の意で、二つを並べて結句の「深き」にかけている。
結句「深き住処を」の「住処」は住んでいる所のことで、「を」は詠嘆を含んで理由を示している。三句までと倒置の関係にある。
すみか:住んでいる所
やまぢ:山の中の道
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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訪ふ人は初雪をこそ分け来しか 道閉ぢてけり深山辺の里
- 次の歌
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わりなしや氷る筧の水ゆゑに 思ひ捨ててし春の待たるる