おしなべて同じ月日の過ぎゆけば
都もかくや年は暮れぬる
- 歌の意味
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どこでも一様に同じ月日が過ぎてゆくのだから、都でもこのように年は暮れてしまったのだろうか。
- 鑑賞
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冬歌 575
詞書「年の暮れに、高野より都なる人のもとにつかはしける」
詞書から、年の暮れに高野山から都にいる人のもとへ送った歌であることがわかる。山の中でも都でも、一様に同じ月日が過ぎてゆくのだから、都でもこちらと同じように年は暮れてしまったのだろうか、と都の人に問いかける。遠く離れた高野山と都とを、同じ時の流れによって結びつけ、都の人を思いやっている。
前歌が俗世とは違う年の暮れを詠んだのに対し、この歌は高野山と都とに同じ月日が流れることを詠んでおり、離れた場所の年の暮れを重ね合わせている。結句は前後の歌の「年の暮れぬる」と響き合っている。
初句「おしなべて」は、すべて一様に、どこでも同じように、の意である。
二句「同じ月日の」の「月日」は年月、日々のことで、山でも都でも同じ月日が、の意である。
三句「過ぎゆけば」の「ば」は確定条件で、過ぎてゆくのだから、の意である。
四句「都もかくや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の連体形「ぬる」と係り結びをなしている。都でもこのように、の意である。
結句「年は暮れぬる」の「ぬる」は完了の助動詞の連体形で、係助詞「や」を受けて、年は暮れてしまったのだろうか、と都を思いやって結ぶ。
かうや:紀伊国の高野山
つきひ:年月、日々
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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年暮れてその営みは忘られて あらぬさまなる急ぎをぞする
- 次の歌
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おのづから言はぬを慕ふ人やあると やすらふほどに年の暮れぬる