賤の女がすそとる糸に露添ひて
思ひにたがふ恋もするかな
- 歌の意味
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身分の低い女が扱う糸に露が加わって思うようにならないように、思いに反する恋をすることだ。
- 鑑賞
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恋歌 594
詞書「寄糸恋」
題「寄糸恋」は、糸に寄せて恋を詠む題である。賤の女が扱う糸に露がついて湿り、思うようにならないように、自分もまた思いどおりにならない恋をしている、と詠む。「すそとる糸」の語義ははっきりしないが、賤の女が糸を紡ぐ作業をいうものと解される。糸に添う露には、恋の涙が重ねられている。
この歌から、糸、梅、花、残花、帰雁、草花、鹿、刈萱、霧、紅葉、落葉、氷、水鳥と、物に寄せて恋を詠む題が続き、ほぼ季節の順に景物が配されている。
初句「賤の女が」の「賤の女」は、身分の低い女のことである。
二句「すそとる糸に」は、賤の女が扱う糸に、の意と解される。題の「糸」に当たる。
三句「露添ひて」は、露が加わって、の意で、糸が湿って扱いにくくなることをいう。露には涙が重ねられている。
四句「思ひにたがふ」は、思いに反する、思いどおりにならない、の意である。
結句「恋もするかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、そのような恋もすることだ、と嘆いて結ぶ。
しづのめ:身分の低い女
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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唐衣たち離れにしままならば 重ねてものは思はざらまし
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折らばやと何思はまし梅の花 なつかしからぬ匂ひなりせば