つれもなく絶えにし人を雁がねの
帰る心と思はましかば
- 歌の意味
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冷たく途絶えてしまった人を、北へ帰ってもまた戻ってくる雁の心だと思うことができたならばよいのに。
- 鑑賞
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恋歌 600
詞書「寄帰雁恋」
題「寄帰雁恋」は、春に北へ帰る雁に寄せて恋を詠む題である。雁は春に帰っても秋にはまた戻ってくる。冷淡に通いを絶ってしまったあの人も、そのような帰る雁の心だと思うことができるならば慰められようものを、と詠む。結句の後を言いさして、そうは思えない嘆きを言外に残している。
初句「つれもなく」は、冷淡に、の意である。
二句「絶えにし人を」は、通いが途絶えてしまった人を、の意である。
三句「雁がねの」の「雁がね」は雁のことで、題の「帰雁」に当たる。
四句「帰る心と」は、春に北へ帰っても秋にはまた戻ってくる雁の心と、の意である。
結句「思はましかば」の「ましかば」は反実仮想で、思うことができたならば、の意である。帰結を言いさして余情を残している。
かりがね:雁、またその鳴き声
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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葉隠れに散りとどまれる花のみぞ 忍びし人に逢ふ心地する
- 次の歌
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朽ちてただしをればよしや我が袖も 萩の下枝の露によそへて