朽ちてただしをればよしや我が袖も
萩の下枝の露によそへて
- 歌の意味
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朽ちてただ萎れてしまうのならば、それもかまわない。私の袖も、萩の下枝に置く露になぞらえて。
- 鑑賞
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恋歌 601
詞書「寄草花恋」
題「寄草花恋」は、秋の草花に寄せて恋を詠む題である。涙に濡れ続けた袖が朽ちて萎れてしまっても、それもかまわない、萩の下枝に置く露に濡れて萎れるのと同じだと思えばよい、と詠む。恋の涙を萩の露になぞらえ、人目には秋の露のせいとして紛らわそうとする心と、捨て鉢な嘆きとが重なっている。
初句「朽ちてただ」は、朽ちてしまってただ、の意で、涙に濡れ続けた袖が傷むことをいう。
二句「しをればよしや」の「しをる」は、萎れる、の意で、萎れるならば、それもかまわない、ということである。「よしや」は、ままよ、という投げやりな気持ちを表す。
三句「我が袖も」は、私の袖も、の意で、初句、二句の主語となっている。
四句「萩の下枝の」の「下枝」は下のほうの枝のことで、露が多く置く所である。題の「草花」に当たる。
結句「露によそへて」の「よそふ」は、なぞらえる、の意で、涙を萩の露になぞらえて、と言いさして結んでいる。
しをる:萎れる、ぐったりする
しづえ:下のほうの枝
よそふ:なぞらえる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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つれもなく絶えにし人を雁がねの 帰る心と思はましかば
- 次の歌
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妻恋ひて人目つつまぬ鹿の音も うらやむ袖のみさをなるかは