- 歌の意味
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岩代の松を吹く風の音を聞くと、物思いをする人も、いっそう心が結ぼれてふさぎこんでしまうことだ。
- 鑑賞
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恋歌 612
詞書「松風増恋」
題「松風増恋」は、松風の音によって恋心がいっそう増すことを詠む題である。紀伊国の岩代は、古く有間皇子が松の枝を結んで旅の無事を祈ったことで知られる歌枕で、結び松の地とされた。その岩代の松に吹く風の音を聞くと、恋に物思いする人の心も、松の枝が結ばれたように結ぼれてふさぎこむ、と詠む。「結ぼほる」は岩代の結び松の縁語である。
初句「岩代の」の「岩代」は紀伊国の歌枕で、松の枝を結んで旅の無事を祈った結び松の地として知られる。
二句「松風聞けば」は、松を吹く風の音を聞くと、の意で、題の「松風」に当たる。
三句「物思ふ」は、物思いをする、恋に思い悩む、の意である。
四句「人も心ぞ」の係助詞「ぞ」は、結句の連体形「ける」と係り結びをなしている。
結句「結ぼほれける」の「結ぼほる」は、心がふさがって晴れない、の意で、岩代の結び松の縁語である。題の「増恋」に当たる。
いはしろ:紀伊国の歌枕、結び松の地として知られる
むすぼほる:心がふさがって晴れない
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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波しのぐことをも何か煩はん 君に逢ふべき道と思はば
- 次の歌
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長月のあまりにつらき心にて 忌むとは人の言ふにやあるらん