長月のあまりにつらき心にて
忌むとは人の言ふにやあるらん
- 歌の意味
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長月の余りの月である閏月のように、あまりにも冷淡な心から、閏月を忌むなどとあの人は言うのであろうか。
- 鑑賞
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恋歌 613
詞書「九月二つありける年、閏月を忌む恋と言ふ事を人々詠みけるに」
詞書から、九月が二度あった閏九月の年に、人々が「閏月を忌む恋」という題で歌を詠んだ折の作であることがわかる。閏月を忌むことを口実に逢おうとしない相手に対し、それは長月の余りの月のように、あまりに冷淡な心から言っているのだろうか、と詠む。「あまり」に閏月の余りの月の意と、あまりにも、の意とを掛け、題の趣向を巧みに生かしている。
初句「長月の」の「長月」は陰暦九月のことで、詞書の閏九月を受けている。
二句「あまりにつらき」の「あまり」は、長月の余りの月である閏月の意と、あまりにも、の意とを掛けた掛詞である。「つらし」は冷淡だ、の意である。
三句「心にて」は、心によって、の意である。
四句「忌むとは人の」は、閏月を忌むとあの人が、の意で、題の「閏月をいむ」に当たる。
結句「言ふにやあるらん」は、言うのであろうか、の意で、係助詞「や」と推量の「らん」が呼応している。
ながつき:陰暦九月
あまり:閏月を余りの月とする意と、あまりにも、の意を掛ける
いむ:縁起が悪いとして避ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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岩代の松風聞けば物思ふ 人も心ぞ結ぼほれける
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ことつくる御阿礼のほどを過ぐしても なほやうづきの心なるべき