ことつくる御阿礼のほどを過ぐしても
なほやうづきの心なるべき
- 歌の意味
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口実にしていた御阿礼の神事の頃を過ごしても、やはりあの人は卯月の名のように憂きつれない心のままなのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 614
詞書「御阿礼のころ、賀茂に参りたりけるに、精進憚恋を人々詠みけるに」
詞書から、賀茂の御阿礼の神事の頃に賀茂社に参詣した折、人々が「精進憚恋」、すなわち神事のための精進潔斎を理由に恋をはばかることを題として詠んだ時の作であることがわかる。御阿礼は賀茂祭に先立って四月に行われる上賀茂神社の神事である。精進を口実に逢おうとしなかったあの人は、神事の頃が過ぎても、やはり卯月の「う」に通う、憂くつれない心のままなのだろうか、と詠む。
初句「ことつくる」の「ことつく」は、口実にする、かこつける、の意である。
二句「御阿礼のほどを」の「御阿礼」は、賀茂祭に先立って四月に行われる上賀茂神社の神事である。題の「精進」に関わる。
三句「過ぐしても」は、過ごしても、の意である。
四句「なほやうづきの」の「うづき」は、陰暦四月の卯月の意と、つらい意の「憂き」とを掛けた掛詞である。係助詞「や」が結句の連体形「べき」と係り結びをなしている。
結句「心なるべき」は、心であるのだろうか、の意で、「や」を受けて連体形で結ぶ。題の「憚恋」に当たる。
ことつく:口実にする、かこつける
みあれ:賀茂祭に先立って四月に行われる上賀茂神社の神事
うづき:陰暦四月の卯月の意と、つらい意の憂きを掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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長月のあまりにつらき心にて 忌むとは人の言ふにやあるらん
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天降る神のしるしのありなしを つれなき人の行方にて見ん