月見ればいでやと世のみ思ほえて
持たりにくくもなる心かな
- 歌の意味
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月を見ると、いやもう、と思わず嘆かれて、世の中のことばかりが思われ、持ちこたえにくくなってゆく心であることよ。
- 鑑賞
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恋歌 619
詞書は前の歌に続き「月」
月を見ると、いやもうと嘆く気持ちとともに、ままならない二人の仲や世の中のことばかりが思われて、心を平らかに保っていられなくなる、と詠む。恋の物思いが月によってかき立てられ、抑えきれなくなってゆくさまを表している。
初句「月見れば」は、月を見ると、の意で、題の「月」に当たる。
二句「いでやと世のみ」の「いでや」は、いやもう、さてさて、と不満や嘆きを表す語である。「世」は世の中、また男女の仲のことである。
三句「思ほえて」は、自然と思われて、の意である。
四句「持たりにくくも」は、持ちこたえにくく、の意で、心を平静に保てなくなることをいう。
結句「なる心かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、そうなってゆく心を嘆いて結ぶ。
いでや:いやもう、さてさて、不満や嘆きを表す語
よ:世の中、男女の仲
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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あはれとも見る人あらば思ひなん 月の面に宿る心は
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弓張の月にはづれて見し影の やさしかりしはいつか忘れん