物思ふ心のたけぞ知られぬる
夜な夜な月を眺め明かして
- 歌の意味
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物思いをする心の深さのほどが、思い知られることだ。毎晩毎晩、月を眺めながら夜を明かして。
- 鑑賞
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恋歌 624
詞書は前の歌に続き「月」
毎晩のように月を眺めて眠れぬ夜を明かしていると、自分の恋の物思いがどれほど深いものであるかが、あらためて思い知られる、と詠む。夜ごと月を眺め続けることが、そのまま恋の深さを測るものとなっている。
初句「物思ふ」は、物思いをする、恋に思い悩む、の意である。
二句「心のたけぞ」の「たけ」は、程度、ありったけ、の意で、心の深さのほどをいう。係助詞「ぞ」が三句の連体形「ぬる」と係り結びをなしている。
三句「知られぬる」の「れ」は自発の助動詞で、自然と思い知られることだ、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「夜な夜な月を」は、毎晩毎晩月を、の意で、題の「月」に当たる。
結句「眺め明かして」の「眺む」は、物思いにふけりながらじっと見つめる、の意である。上の句の理由を示す倒置となっている。
たけ:程度、ありったけ
ながむ:物思いにふけりながらじっと見つめる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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天の原冴ゆるみ空は晴れながら 涙ぞ月の雲になりける
- 次の歌
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月を見る心のふしをとがにして 便り得顔に濡るる袖かな