恋しさを催す月の影なれば
こぼれかかりてかこつ涙か
- 歌の意味
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恋しさをかき立てる月の光であるから、こぼれかかって、月のせいだと恨み言をいう涙なのか。
- 鑑賞
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恋歌 633
詞書は前の歌に続き「月」
月の光は恋しさをかき立てるものであるから、こぼれ落ちる涙は、月のせいだと恨み言を言っているのだろうか、と詠む。恋の涙を月にかこつける心を、涙の側から問いかける形で表している。
本巻の第六百二十八首の「かこち顔なるわが涙」と同じく、月にかこつける涙を詠んでおり、月の歌群の中で同じ趣向が繰り返されている。
初句「恋しさを」は、恋しく思う気持ちを、の意である。
二句「催す月の」の「催す」は、引き起こす、かき立てる、の意である。題の「月」に当たる。
三句「影なれば」の「影」は月の光のことで、光であるから、の意である。
四句「こぼれかかりて」は、涙がこぼれかかって、の意である。
結句「かこつ涙か」の「かこつ」は、他のせいにして恨み言を言う、の意で、「か」は疑問を表して結ぶ。
もよほす:引き起こす、かき立てる
かこつ:他のせいにして恨み言を言う
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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物思ふ袖にも月は宿りけり 濁らで澄める水ならねども
- 次の歌
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よしさらば涙の池に袖なれて 心のままに月を宿さん