- 歌の意味
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ええ、それならば、涙のたまった池に袖を慣れ親しませて、心ゆくまで月を宿そう。
- 鑑賞
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恋歌 634
詞書は前の歌に続き「月」
月が涙に映って宿るのならば、いっそ涙をたたえた池に袖をすっかり慣れさせて、思う存分に月を宿してやろう、と詠む。涙の止まらない恋の苦しみを、開き直ったような口調で月を宿す楽しみに転じてみせている。
前歌まで涙に宿る月を詠み継いできたのを受け、この歌は涙を池にまで広げ、次歌の第六百三十五首は逆に袖が朽ちてしまったら月をどこに宿すのかと案じており、二首が対をなしている。
初句「よしさらば」は、ええ、それならば、の意で、投げやりな気持ちを込めて開き直る口調である。
二句「涙の池に」は、涙がたまって池となったものに、の意である。
三句「袖なれて」の「なる」は、慣れ親しむ、の意で、袖が涙の池にすっかりなじんで、ということである。
四句「心のままに」は、思う存分に、心ゆくまで、の意である。
結句「月を宿さん」の「ん」は意志で、月を宿そう、と結ぶ。題の「月」に当たる。
なる:慣れ親しむ、なじむ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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恋しさを催す月の影なれば こぼれかかりてかこつ涙か
- 次の歌
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うち絶えて嘆く涙に我が袖の 朽ちなば何に月を宿さん