うち絶えて嘆く涙に我が袖の
朽ちなば何に月を宿さん
- 歌の意味
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あの人との仲がすっかり絶えて嘆く涙のために、私の袖が朽ちてしまったならば、いったい何に月を宿そうか。
- 鑑賞
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恋歌 635
詞書は前の歌に続き「月」
恋人との仲がすっかり途絶えてしまい、嘆き続ける涙で袖が朽ちてしまったならば、その後は何に月を宿したらよいのか、と詠む。月を宿す袖さえ失ってしまうかもしれないという不安に、涙の尽きない恋の嘆きの深さを表している。
前歌が涙の池で心ゆくまで月を宿そうと詠んだのに対し、この歌は袖が朽ちてしまえば月を宿すことさえできなくなると嘆き、同じ趣向を反転させている。
初句「うち絶えて」の「うち絶ゆ」は、すっかり途絶える、の意で、恋人との仲が絶えたことをいう。
二句「嘆く涙に」は、嘆く涙のために、の意である。
三句「我が袖の」は、私の袖が、の意である。
四句「朽ちなば何に」の「朽ちなば」は、朽ちてしまったならば、の意で、「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形である。
結句「月を宿さん」は、月を宿そうか、の意で、四句の「何に」と呼応して問いかけて結ぶ。前歌の結句と同じ句を用いている。
うちたゆ:すっかり途絶える
くつ:朽ちる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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よしさらば涙の池に袖なれて 心のままに月を宿さん
- 次の歌
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世々経ともわすれがたみの思ひ出は 袂に月の宿るばかりか