- 歌の意味
- 秋の月は、物思いをする人のためにといって、つらいあの人の面影に添えて出てくるのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 641
詞書は前の歌に続き「月」
秋の月が出ると、つれないあの人の面影もそれに添うように浮かんでくる。月は物思いをする人のためにと、わざわざ面影を伴って出てくるのだろうか、と詠む。月を見るたびに恋人の面影が浮かぶ苦しさを、月の心づもりであるかのように表している。
初句「秋の月」は、秋の月は、の意で、題の「月」に当たる。
二句「物思ふ人の」は、物思いをする人の、の意で、詠み手自身をいう。
三句「ためとてや」の係助詞「や」は疑問を表し、結句の連体形「らん」と係り結びをなしている。
四句「憂き面影に」の「憂し」は、つらい、の意で、つれないあの人の面影をいう。
結句「添へて出づらん」は、添えて出てくるのだろうか、の意で、「や」を受けて連体形で結ぶ。
うし:つらい、いやだ
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 夜もすがら月を見顔にもてなして 心の闇に迷ふ頃かな
- 次の歌
- 隔てたる人の心のくまにより 月をさやかに見ぬが悲しさ