- 歌の意味
- 恋しさが少しは弱まるだろうかと思って月を眺めると、いっそう心を砕いてしまう月の光であることよ。
- 鑑賞
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恋歌 646
詞書は前の歌に続き「月」
月を眺めれば恋しさも少しは和らぐだろうかと思って眺めたのに、かえって月の光はいっそう心を砕き、恋しさを募らせる、と詠む。慰めを求めて月を見ることが、逆に恋の苦しみを深めてしまうという、月の歌群に繰り返される心の動きを捉えている。
初句「恋しさや」の係助詞「や」は疑問を表し、恋しさが、の意である。
二句「思ひ弱ると」は、思いが弱まるだろうかと、の意である。
三句「眺むれば」の「眺む」は、物思いにふけりながらじっと見つめる、の意で、眺めると、ということである。
四句「いとど心を」の「いとど」は、いっそう、ますます、の意である。
結句「砕く月影」の「心を砕く」は、ひどく思い悩ませる、の意で、体言止めで結ぶ。題の「月」に当たる。
ながむ:物思いにふけりながらじっと見つめる
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 物思ふ心のくまをのごひうてて 曇らぬ月を見るよしもがな
- 次の歌
- ともすれば月澄む空にあくがるる 心の果てを知るよしもがな