嘆くとも知らばや人のおのづから
あはれと思ふこともあるべき
- 歌の意味
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私がどれほど嘆いても、あの人が自然とあわれと思ってくれることがあるものかどうか、知りたいものだ。
- 鑑賞
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恋歌 657
詞書は前の歌に続き「恋」
自分がどれほど嘆いていても、そのことであの人が自然とあわれに思ってくれることなどあるのだろうか。それを知りたいものだ、と詠む。嘆き続けることが相手の心に届くのかどうかを確かめたいという、思いを寄せる側の不安な心を表している。
初句「嘆くとも」は、嘆いても、の意で、「とも」は逆接の仮定条件を表す。
二句「知らばや人の」の「ばや」は自己の願望を表す終助詞で、知りたいものだ、の意である。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「おのづから」は、自然と、ひとりでに、の意である。
四句「あはれと思ふ」の「あはれ」は、しみじみとかわいそうだ、心ひかれる、の意である。
結句「こともあるべき」は、そういうこともあるのだろうか、の意で、二句の「知らばや」の内容となっている。
おのづから:自然と、ひとりでに
あはれ:しみじみとした情趣、かわいそうだと思う心
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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常磐山椎の下柴刈り捨てん 隠れて思ふかひのなきかと
- 次の歌
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何となくさすがに惜しき命かな ありへば人や思ひ知るとて