涙川深く流るるみをならば
浅き人目につつまざらまし
- 歌の意味
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涙の川が深く流れる水脈のように、わが身が深い思いを抱いているのならば、浅い人目などに包み隠したりはしないだろうに。
- 鑑賞
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恋歌 661
詞書は前の歌に続き「恋」
涙を川にたとえ、その川が深く流れる水脈であるように、わが身の思いが本当に深いのならば、浅はかな人目などをはばかって包み隠したりはしないだろう、と詠む。「みを」に水脈と身をとを掛け、「深き」と「浅き」を対比させて、人目を気にして思いを隠している自分を省みている。
初句「涙川」は、涙が多く流れるさまを川にたとえた語である。
二句「深く流るる」は、深く流れる、の意で、四句の「浅き」と対照をなしている。
三句「みをならば」の「みを」は、川の水脈の意と、わが身をの意とを掛けた掛詞である。
四句「浅き人目に」は、浅はかな人目に、の意で、涙川の縁で「浅き」を用いている。
結句「つつまざらまし」の「つつむ」は、包み隠す、はばかる、の意で、「まし」は三句の「ならば」と呼応する反実仮想である。
なみだがは:涙が多く流れるさまを川にたとえた語
みを:川の水脈の意と、わが身をの意を掛ける
つつむ:包み隠す、はばかる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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あやめつつ人知るとてもいかがせん 忍びはつべき袂ならねば
- 次の歌
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しばしこそ人目つつみにせかれけれ 果ては涙やなるたきの川