憂きにだになどなど人を思へども
叶はで年の積もりぬるかな
- 歌の意味
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つらい目にあってさえ、どうしてこれほどと思うほどにあの人を思い続けているけれども、思いは叶わないまま年が積もってしまったことだ。
- 鑑賞
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恋歌 664
詞書は前の歌に続き「恋」
相手のつれなさにつらい思いをしながらも、自分でもなぜなぜと思うほどにあの人を思い続けている。けれども、その思いは叶わないまま、むなしく年月だけが積み重なってしまった、と詠む。報われない恋に費やされた歳月の重さを嘆いている。
初句「憂きにだに」の「憂し」は、つらい、の意で、「だに」は、さえ、の意である。つらい目にあってさえ、ということである。
二句「などなど人を」の「などなど」は、どうしてどうして、の意で、自分でも不思議に思うほどであることを表す。
三句「思へども」は、思うけれども、の意で、逆接で下の句へ続く。
四句「叶はで年の」の「で」は打消の接続助詞で、叶わないままで、の意である。
結句「積もりぬるかな」は、積もってしまったことだ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
うし:つらい、いやだ
などなど:どうしてどうして
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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物思へば袖に流るる涙川 いかなるみをに逢ふ瀬なりなん
- 次の歌
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なかなかに馴れぬ思ひのままならば 恨みばかりや身に積もらまし