なかなかに馴れぬ思ひのままならば
恨みばかりや身に積もらまし
- 歌の意味
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かえって、親しく馴れることのない思いのままであったならば、ただ恨みばかりが身に積もったのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 665
詞書は前の歌に続き「恋」
なまじ親しく馴れ合う仲になったために、恨みのほかにもさまざまなつらさを味わうことになった。もし馴れることのない片思いのままであったならば、身に積もるのは恨みばかりで済んだだろうか、と詠む。馴れたがゆえのつらさを、反実仮想によって表している。
前歌の結句「積もりぬるかな」を受けて、この歌も「身に積もらまし」と積もるものを詠み、年の積もりから恨みの積もりへと詠み継いでいる。
初句「なかなかに」は、かえって、なまじっか、の意である。
二句「馴れぬ思ひの」の「馴る」は、親しくなる、馴れ親しむ、の意で、馴れ親しむことのない思い、すなわち片思いをいう。
三句「ままならば」は、そのままであったならば、の意で、結句の「まし」と呼応する。
四句「恨みばかりや」の係助詞「や」は疑問を表し、結句の「まし」と係り結びをなしている。
結句「身に積もらまし」の「まし」は反実仮想で、身に積もっただろうか、の意で結ぶ。前歌の「積もりぬるかな」と響き合っている。
なる:親しくなる、馴れ親しむ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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憂きにだになどなど人を思へども 叶はで年の積もりぬるかな
- 次の歌
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何せんにつれなかりしを恨みけん 逢はずはかかる思ひせましや