- 歌の意味
- わが身のつらさが思い知られる、その道理によっても抑えることができないのは、涙であったよ。
- 鑑賞
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恋歌 668
詞書は前の歌に続き「恋」
恋が叶わないのは、取るに足りないわが身のせいであるという道理はよくわかっている。それでも、その道理によって抑えることのできないのは、あふれ出る涙であった、と詠む。理屈では納得していても、心は従わない恋の苦しさを表している。
初句「身の憂さの」の「憂さ」は、つらさのことで、取るに足りないわが身のつらさをいう。
二句「思ひ知らるる」の「るる」は自発の助動詞で、自然と思い知られる、の意である。
三句「ことわりに」の「ことわり」は道理のことで、道理によっても、の意である。
四句「おさへられぬは」は、抑えることのできないのは、の意である。
結句「涙なりけり」の「なりけり」は気づきの詠嘆で、涙であったよ、と結ぶ。
うさ:つらさ
ことわり:道理
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- むかはらば我が嘆きの報いにて 誰ゆゑ君が物を思はん
- 次の歌
- 日をふれば袂の雨の脚添ひて 晴るべくもなき我が心かな