日をふれば袂の雨の脚添ひて
晴るべくもなき我が心かな
- 歌の意味
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日が経つにつれて、袂に降る涙の雨は降りしきる勢いを増して、晴れそうにもない私の心であることよ。
- 鑑賞
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恋歌 669
詞書は前の歌に続き「恋」
日を重ねるにつれて、袂を濡らす涙の雨はますます激しく降りしきり、心は晴れそうにもない、と詠む。「ふれ」に日を経る意と雨が降る意とを掛け、「雨の脚」「晴る」と雨の縁語を連ねて、涙と心の晴れなさを雨の景に重ねている。
次歌の第六百七十首も「涙の雨の脚しげみ」と雨の脚を詠んでおり、二首が涙の雨によって並んでいる。
初句「日をふれば」の「ふれ」は、日を経る意と、雨が降る意とを掛けた掛詞である。
二句「袂の雨の」の「袂の雨」は、袂に降る涙を雨にたとえたものである。
三句「脚添ひて」の「雨の脚」は、雨の降る勢いのことで、勢いが増して、の意である。
四句「晴るべくもなき」は、晴れそうにもない、の意で、雨の縁語の「晴る」に、心が晴れる意を重ねている。
結句「我が心かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、晴れない心を嘆いて結ぶ。
ふる:日を経る意と、雨が降る意を掛ける
あめのあし:雨の降る勢い
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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身の憂さの思ひ知らるることわりに おさへられぬは涙なりけり
- 次の歌
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かきくらす涙の雨の脚しげみ 盛りに物の嘆かしきかな